0 はじめに

研究の仕方がわからない…
研究に興味があるが、いざ研究をするときに戸惑う人は多いだろう。
フィールド研究は身近に感じられるものの、意外と研究できる大学が限られているため、大学院から本格的に研究を始める人もいるだろう。そうすると、

フィールド研究は意外と全然時間がない…。

フィールド事情に応じた知識を身につけなければならないし、一昔前みたいに紙とペンだけで論文を書き続けられる時代ではなくなった。霊長類の行動観察を行う研究では、統計学的手法はもはやExcelで手に負える内容はごく少数となり、Rを使うことが当たり前となっている。諸々のことがフィールド研究で求められることに戸惑うだろう。
学部生時代、修士時代にあったらよかったと筆者が感じたことをまとめてみた。

最初は何だって難しい

最初の困難を乗り越えるのに多大な労力がいることを覚悟しよう。
それでも心が折れかけるのは世の常。
本稿は、研究のことをあまりわかっていないと感じる悩み多きフィールド研究者の卵を対象にしている。 そんな迷える人が1人でもいち早く脱出し、研究の本分である自分の研究に向き合う時間を少しでも増やすことができることを願っている。

どんな高出力のエンジンを積んでいても進む方向がわからなければ、水の泡。

力の効率:\(\cos\theta\)

が1にできるだけ近づける、フィールド研究者の卵にとっての滑走路として、このサイトが少しでも役に立つのであればと願い、綴っていく。


tabutan
現在、霊長類学を専攻する博士学生。屋久島のニホンザルを対象に研究してきた。最近、修士1年のときにアカンボウだったサルがもうアカンボウを産む年頃となり、時の流れの速さに驚きを隠せないでいる。