9 もっとヤクシマザルを知る

論文は、誰でも読めるようにするオープンアクセス化が近年増えてきたが、ハードルが高いと感じる人は多いだろう。そこで、論文以外でヤクシマザルのことについて知ることができる情報をここで整理する。ニホンザルの最近の知見について知りたい方はこちらの本130,131をお勧めする。

9.1 ネット教材

屋久島大学というオンラインアカデミーで屋久島のことをかなり勉強することができ 、ヤクシマザルについても紹介されている132

9.2 書籍

屋久島に関わる動植物の研究については多くの書籍が出版されている。以下いくつか紹介。

9.2.1 ヤクシマザルの書籍

絵本133から一般書134、専門書135,136 まで幅広い本が刊行されている。

9.2.2 屋久島の自然の書籍

ヤクシマザルが生息している自然について知りたいヒトは、植物を中心に屋久島の自然を紹介した本137,138,139 をすすめる。

9.2.3 サルに関連した民俗学の書籍

現在世界遺産に指定されている西部地域海岸部でのかつての生業について、民俗学者が調査している140,141

9.3 調査ボランティア

毎年夏にヤクザル調査隊という標高1,000m付近でテント泊し、ヤクシマザルの生態調査しているグループがある。調査の際にボランティアを募集しているので、調査体験したい人は申し込みして定員オーバーしていなければ参加できる142

ヤクザル調査隊では本134も出ているので、どういうことが行われているのかウェブサイト142以上の情報が気になるヒトは追体験してみるとよいだろう。

9.4 サルの観察

屋久島は世界自然遺産の指定範囲内に生活道路が通っており143、世界でも珍しい場所である。そのため、野生のサルを簡単に観察できる。 サル観察時の注意事項についてまとめたガイドブックが公開されている143。以下の点に注意して観察を楽しもう。

9.5 屋久島観光一般

National Parks of JapanというYouTubeチャンネルは、自然にやさしく安全に注意しながら楽しむ観光についてわかりやすく紹介している144

9.6 ニホンザルを研究してみたい人へ

日本霊長類学会が、霊長類を研究できる研究室を紹介している。こちらへ。
また、霊長類学と関連する書籍については、手前味噌だがこちらのサイトが参考になるかもしれない(フィールド研究書籍データベース)。

引用文献

130.
日本のサル: 哺乳類学としてのニホンザル研究. (東京大学出版会, 東京, 2017).
131.
The Japanese Macaques. (Springer, Tokyo, 2010).
132.
半谷吾郎. 屋久島大学【アーカイブ】サルと屋久島 ヤクシマザルの暮らしから屋久島の森を見る. (2021年11月01日). at <https://yakudai.jp/archives/89>
133.
山極寿一 & ふしはらのじこ. ヤクシマザルを追って―ゴリラ学者と歩く南限のニホンザル観察図鑑. (新泉社, 2020).
134.
半谷吾郎 & 松原始. サルと屋久島: ヤクザル調査隊とフィールドワーク. (旅するミシン店, 2018).
135.
丸橋珠樹, 古市剛史 & 山極寿一. 屋久島の野生ニホンザル (動物―その適応戦略と社会). (東海大学出版会, 1986).
136.
高畑由起夫 & 山極寿一(編). ニホンザルの自然社会―エコミュージアムとしての屋久島. (京都大学学術出版会, 京都, 2000).
137.
湯本貴和. 屋久島―巨木の森と水の島の生態学. (講談社ブルーバックス, 1995).
138.
田川日出夫. 世界の自然遺産 屋久島. (NHKブックス, 1994).
139.
大澤雅彦・山極寿一. 世界遺産 屋久島―亜熱帯の自然と生態系. (朝倉書店, 2006).
140.
宮本常一. 屋久島民俗誌. 16, (未来社, 1974).
141.
服部志帆 & 小泉都. 霊長類学者・川村俊蔵のフィールドノート―1950年代屋久島の猟師と後継者たち―. (南方新社, 2022).
142.
ヤクザル調査隊. ヤクザル調査隊公式サイト. at <https://yakuzaru.com/>
143.
環境省九州地方環境事務所. 西部地域ルールガイド. (2019). at <https://www.yakushima.or.jp/assets/file/guidance/srule.pdf>
144.
National Parks of Japan. Manner navi in YAKUSHIMA ~屋久島マナーナビ~. (2023年4月24日). at <https://youtu.be/l26Amq7p7Uk?si=Efb3M5qATY0JMN7O>