6 社会
6.1 社会とは何か?
動物の社会とは、個体の集合状態に関係なく、様々な行動を介して相互に作用しながら形成される個体間の関係性を指す(例:哺乳類の生物学4 社会)。そのためこの定義に則ると、満員電車の人たちや鴨川で並んで座っている人たちは集まっていても社会を形成しているわけではない。
6.2 社会構造
ニホンザルのメスは基本的に生まれた群れで生涯を過ごすが、オスは性成熟前後に生まれた群れから移出する(cf. ニホンザルのオスの移出)。そのため、社会構造は母親・姉妹・叔母・姪などの母系の血縁個体集団が核となり、血縁個体と近接や毛づくろいをして一緒に過ごす時間が多い。これはニホンザルに限らず、マカク属全般でも当てはまり、非母系社会をもつ霊長類はむしろ珍しい(例:類人猿)。