10 屋久島の自然誌

10.1 屋久島の成り立ち

約1400万年前に花崗岩が隆起してできた島とされる。その大きさは周囲約132km、面積約503km2であり、ほぼ円形の島である。

10.2 世界自然遺産になった経緯

1993年12月11日に白神山地とともに日本初の世界自然遺産に登録され、その面積は屋久島の約20%に相当する。屋久島は世界的な動植物の移行帯に位置しながら、標高2,000m近くに達する山々があり、黒潮に浮かぶことから「洋上アルプス」と称され(図 10.1)、特異的な地理的環境下にある。このことから、海岸付近の亜熱帯植物から、暖帯、温帯、亜高山帯と連続した植生の垂直分布がみられる。また多くの固有種と北限・南限の植物が自生している等特異な生態系で構成されている。これらの理由から屋久島は世界自然遺産に指定された。

「洋上アルプス」と称される屋久島<br>宮之浦港から臨む屋久島の様子。

図10.1: 「洋上アルプス」と称される屋久島
宮之浦港から臨む屋久島の様子。